2012.01.26 Thursday
授業中睡眠の三因子仮説
このブログに「授業中に眠くなる理由」を調べに訪れる方が多いようである。このテーマは、無論、以前書いたテーマである。今回は、そのときの議論を整理し発展させ、「授業中眠くなる原因には、3つの因子が複合的に作用している」という仮説を提示したい。難しそうな言い方だが、話はごく単純なものである。
もちろん、「1つの原因を絶対視したり、検討せずに原因を決めつける」ということは避け、いろいろな可能性を吟味したうえで、3つの因子が複合的に作用しているということを述べていく。
たとえば「授業が面白くないから眠くなる」という仮説がある(1)。この仮説を検討することで、三因子説を示したいと思う。「面白くないから眠くなる」仮説はあるていど妥当ではあるが、それだけがすべてであるときめつけることは妥当ではない。なぜならば、人間は面白くても寝てしまうことがあるからである。たとえば、自身の経験を述べれば、「読後感最高」だったミステリを読んでいたときでさえ、途中で寝てしまったことがある。面白くても眠くなるときは、眠くなることの証である。また、面白くないからといって常に寝てしまうとはいえない。もしそうだとしたら、この世に不眠症などは存在し得ないであろう。つまらないものに触れればすぐに寝られるのだから。この世に不眠症が存在する以上は、「面白くないから眠くなる」という仮説を絶対視することはできない。
では、どうして面白いミステリを読みながら私は寝てしまったのだろうか?種を明かせば、一度目の場合は冬にコタツでミステリを読んでいたときであり、二度目の場合は、バスに乗っているときであった。そう、お気づきのように、眠くなる環境というものがどうしても存在するのである。バスや電車で揺られた経験のある方は身につまされたのではなかろうか?赤ちゃんが親の胸で眠くなるのも一例といえよう。つまり、第一の因子としては眠くなる環境というものが考えられる。教室で言えば、暖かいエアコンや、教室の明るさなどが第一の因子として挙げられる。
しかし、不眠症の人は、必ずしも道路工事の騒音などの環境のせいで眠れないわけではない。ストレスや何らかの病など、その個人が抱えている要因によって眠れない場合が多いだろう。そう、これが第二因子、すなわち個人的要因というものである。睡眠不足の学生、ナルコレプシーにかかっている学生、風邪薬を飲んできた学生、朝食抜きの学生、疲れている学生、などがこの第二因子が主な原因となって眠っているといえよう。
では、第三の因子は何か?これは第一因子に近いが、授業そのもののありかたが第三因子である(2)。先述の「授業が面白くないから眠くなる」という主張は、第三因子のみに注目した仮説である。ただし、面白いか否かだけが第三因子というわけではない。授業の中で活動する場面があるかどうか、映像を見る時間が長すぎないかどうか(3)、声のリズムが眠気を誘わないかどうか、なども第三因子を構成している。
これらの因子単独で、眠気を引き起こせるとは限らない(起こせる場合もあるが。ナルコレプシーなど)。なぜなら、同じ環境、同じ授業でも寝る学生とそうでない学生がいるし、睡眠不足でも平気な学生もそうでない学生もいるからである。このような現象を説明するためには、やはりこの3つの因子が必要である。たとえば、眠くなる環境であっても、個人の体調がよければ眠らずにすむだろう、などと考えることができる。単一因子説より説得的であろう。
この三因子説は授業改善にも役立てることができる。その考え方と実践は次回の投稿で示したい。
注
(1)予断だが、この仮説を提唱している実に「面白い」先生に出会ったことがある。その人は、自分の授業では学生が寝ないとおっしゃっていた。しかし、私が話したある学生は、その先生の授業で寝たことがある(複数回)といっていた。授業が面白いというよりは、主張が「面白い」。
(2)第一因子と第三因子の境目はあいまいといえば、あいまいである。教員のありかた、授業のやり方に関するものを第三因子としておきたい。それ以外の環境的要因を第一因子とする。両方に重なるもの(教員の声などは、マイクトラブルを考慮するとどちらにも入りそうだ)も無論ある。
(3)部屋が暗くなるため、眠くなる。第一因子とも関連している。
もちろん、「1つの原因を絶対視したり、検討せずに原因を決めつける」ということは避け、いろいろな可能性を吟味したうえで、3つの因子が複合的に作用しているということを述べていく。
たとえば「授業が面白くないから眠くなる」という仮説がある(1)。この仮説を検討することで、三因子説を示したいと思う。「面白くないから眠くなる」仮説はあるていど妥当ではあるが、それだけがすべてであるときめつけることは妥当ではない。なぜならば、人間は面白くても寝てしまうことがあるからである。たとえば、自身の経験を述べれば、「読後感最高」だったミステリを読んでいたときでさえ、途中で寝てしまったことがある。面白くても眠くなるときは、眠くなることの証である。また、面白くないからといって常に寝てしまうとはいえない。もしそうだとしたら、この世に不眠症などは存在し得ないであろう。つまらないものに触れればすぐに寝られるのだから。この世に不眠症が存在する以上は、「面白くないから眠くなる」という仮説を絶対視することはできない。
では、どうして面白いミステリを読みながら私は寝てしまったのだろうか?種を明かせば、一度目の場合は冬にコタツでミステリを読んでいたときであり、二度目の場合は、バスに乗っているときであった。そう、お気づきのように、眠くなる環境というものがどうしても存在するのである。バスや電車で揺られた経験のある方は身につまされたのではなかろうか?赤ちゃんが親の胸で眠くなるのも一例といえよう。つまり、第一の因子としては眠くなる環境というものが考えられる。教室で言えば、暖かいエアコンや、教室の明るさなどが第一の因子として挙げられる。
しかし、不眠症の人は、必ずしも道路工事の騒音などの環境のせいで眠れないわけではない。ストレスや何らかの病など、その個人が抱えている要因によって眠れない場合が多いだろう。そう、これが第二因子、すなわち個人的要因というものである。睡眠不足の学生、ナルコレプシーにかかっている学生、風邪薬を飲んできた学生、朝食抜きの学生、疲れている学生、などがこの第二因子が主な原因となって眠っているといえよう。
では、第三の因子は何か?これは第一因子に近いが、授業そのもののありかたが第三因子である(2)。先述の「授業が面白くないから眠くなる」という主張は、第三因子のみに注目した仮説である。ただし、面白いか否かだけが第三因子というわけではない。授業の中で活動する場面があるかどうか、映像を見る時間が長すぎないかどうか(3)、声のリズムが眠気を誘わないかどうか、なども第三因子を構成している。
これらの因子単独で、眠気を引き起こせるとは限らない(起こせる場合もあるが。ナルコレプシーなど)。なぜなら、同じ環境、同じ授業でも寝る学生とそうでない学生がいるし、睡眠不足でも平気な学生もそうでない学生もいるからである。このような現象を説明するためには、やはりこの3つの因子が必要である。たとえば、眠くなる環境であっても、個人の体調がよければ眠らずにすむだろう、などと考えることができる。単一因子説より説得的であろう。
この三因子説は授業改善にも役立てることができる。その考え方と実践は次回の投稿で示したい。
注
(1)予断だが、この仮説を提唱している実に「面白い」先生に出会ったことがある。その人は、自分の授業では学生が寝ないとおっしゃっていた。しかし、私が話したある学生は、その先生の授業で寝たことがある(複数回)といっていた。授業が面白いというよりは、主張が「面白い」。
(2)第一因子と第三因子の境目はあいまいといえば、あいまいである。教員のありかた、授業のやり方に関するものを第三因子としておきたい。それ以外の環境的要因を第一因子とする。両方に重なるもの(教員の声などは、マイクトラブルを考慮するとどちらにも入りそうだ)も無論ある。
(3)部屋が暗くなるため、眠くなる。第一因子とも関連している。